【Tips】和暦西暦変換処理と明治時代とJava、C#での実装について(2017/1/10追記)

日付処理にまつわる、明治時代の和暦の考え方について紹介します。

学生時代に習った「明治時代の日付のずれ※」覚えていますか？

※「明治5年12月2日」の翌日が「明治6年1月1日」

なぜ歴史のことをお話しするかというと、アプリケーション、特に業務アプリを作る際に絶対的に必要になってくる「西暦和暦変換処理」について、歴史的背景、Javaでの実装、C#での実装に解説したいと思います。

[歴史的背景]

明治になった9月8日という日付について、和暦年月(太陽太陰暦)の明治1年9月8日であり、西暦では「1868年10月23日」となる。

上記開始日のずれの原因は、明治への改元の詔書が出されたのが1868年10月23日であり、当日付は、慶応4年9月8日、明治1年9月8日と同日を指す。これが翌日改元に基づいた歴史的な明治の開始日となる。
ただし、立年改善に基づいた場合、上記の日付を元に、遡って明治1年1月1日と定められたのが、1868年1月25日となる。

また、明治5年12月2日（1872年12月31日）の翌日から太陽暦（グレゴリオ暦）を採用しており、明治6年（1873年）1月1日としたため、明治5年は12月3日から12月30日までの28日間が存在しない。

＜年表＞

和暦	西暦 (グレゴリウス暦)	明治時代の始まり	歴史
慶応3年12月7日	1868年1月1日		改歴を考慮しない場合の明治1年1月1日
明治1年1月1日	1868年1月25日	立年改元	公式な明治の開始日
慶応4年1月1日	1868年1月25日
慶応4年9月7日	1868年10月22日		慶応の終了日
慶応4年9月8日	1868年10月23日		明治の開始日であるが、慶応の終了日でもある
明治1年9月8日	1868年10月23日	翌日改元	明治への改元詔書が出された日歴史的な明治の開始日
明治5年11月9日	1872年12月9日		改暦ノ布告明治5年太政官布告第337号
明治5年12月2日	1872年12月31日		明治改暦和暦における太陽太陰暦の最終日
明治6年1月1日	1873年1月1日		和暦でグレゴリウス暦が使われ始めた日

＜日本史の教科書＞

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[Javaでの実装]

JavaではJava SE6及びSE8より、標準APIで和暦に対応しています

　　クラス：JapaneseImperialCalendar(JavaSE6)、JapaneseDate(JavaSE8)

　　サポート：西暦1873年1月1日/明治6年1月1日

サポート対象外の日付を入れると例外が発生します。

実際に処理をすると「西暦1868年1月1日は例外が発生」します。

てわけで、JavaSE8ベースでテストしてみました。

＜テストソース＞

github.com

＜実行結果＞

JavaDoc通り、明治６年１月１日より前はサポートしてない模様。

翌日改元に基づいた実装がされていました。

（これって正しいのかな？)

RuntimeException：西暦1868年1月1日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年1月1日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年1月25日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年9月7日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年9月8日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年9月9日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年10月22日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1868年10月23日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
RuntimeException：西暦1872年12月31日  （java.time.DateTimeException: JapaneseDate before Meiji 6 is not supported)
西暦1873年1月1日 → 明治6年1月1日
西暦1912年1月1日 → 明治45年1月1日
西暦1912年7月29日 → 明治45年7月29日
西暦1912年7月30日 → 大正1年7月30日
西暦1926年1月1日 → 大正15年1月1日
西暦1926年12月24日 → 大正15年12月24日
西暦1926年12月25日 → 昭和1年12月25日
西暦1989年1月1日 → 昭和64年1月1日
西暦1989年1月7日 → 昭和64年1月7日
西暦1989年1月8日 → 平成1年1月8日

[C#での実装]

C#では、標準APIで和暦に対応しています。

　　クラス：JapaneseCalendar

　　サポート：西暦1868年9月8日

ただし、グレゴリオ暦の西暦1868年9月8日～の変換にしか対応しておらず、これより前の日付を操作しようとした場合、ArgumentOutOfRangeExceptionが発生します。

てわけでこっちもテストしてみました

＜テストソース＞

github.com

＜実行結果＞

MSDN通り、明治5年まではグレゴリウス暦が反映されていない模様です。

Exception：西暦1868年1月1日
Exception：西暦1868年1月1日
Exception：西暦1868年1月25日
Exception：西暦1868年9月7日
西暦1868年9月8日 → 明治01年9月8日
西暦1868年9月9日 → 明治01年9月9日
西暦1868年10月22日 → 明治01年10月22日
西暦1868年10月23日 → 明治01年10月23日
西暦1872年12月31日 → 明治05年12月31日
西暦1873年1月1日 → 明治06年1月1日
西暦1912年1月1日 → 明治45年1月1日
西暦1912年7月29日 → 明治45年7月29日
西暦1912年7月30日 → 大正01年7月30日
西暦1926年1月1日 → 大正15年1月1日
西暦1926年12月24日 → 大正15年12月24日
西暦1926年12月25日 → 昭和01年12月25日
西暦1989年1月1日 → 昭和64年1月1日
西暦1989年1月7日 → 昭和64年1月7日
西暦1989年1月8日 → 平成01年1月8日

[アプリでの和暦サポートの考え方]

ここまで歴史が複雑で、資料も残っておらず考え方がばらばらの場合、グレゴリウス暦に統一された「1873年1月1日(明治6年1月1日)」から、変換をサポートすることを推奨します。

また、標準APIで実装し、元号が変わった場合、標準APIライブラリが対応するまでの間、和暦のサポートができなくなります。

実態としては、アプリケーションを組む場合は、西暦を採用するか、和暦を採用する場合は個別実装することになるかと思います。

個人的所管だけど、、

日本人だけど、システム屋だから、和暦嫌い！！

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2017/1/10追記

本日、元号の改定に関する閣議が発表されました。

こちらの記事とあわせてご覧ください

rey1229.hatenablog.com

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